怪我をしない人たちに見られる共通点
①パフォーマンスが高く怪我をしない人
②パフォーマンスはそこそこ高いが頻繁に故障する人
③パフォーマンスがなかなか上がらないし故障も多い人
様々なパターンの人がいますが、①の人たちに共通するのは運動時にどこの関節を中心に動かしているかと言うことです。
スポーツ動作において特に重要な可動パーツ(柔軟に動く部分)を胸郭・股関節・肩甲胸郭関節と考えてられています!
逆に②③の人の多くは膝や腰・首・肩甲上腕関節といった部分を主な可動パーツとして動作を作っています
なぜ胸郭をしっかり動かせることがそれほど重要なのかと、日常生活で実施できるちょっとした解決法を合わせて書いていきます
胸郭は身体運動のかなめ
胸郭という部分が体のどういった機能に関連しているかお分かりになりますでしょうか?
『呼吸…?』
正解です!この肋骨のかごの中には肺が存在します!
肺は自分で広がったり縮んだりだりすることができませんから、横隔膜やこの肋骨のかごが柔軟に拡張したりしぼんだりすることによって肺の中の空気の出し入れを行なっています。
当然ながらこの拡張としぼんだときの差が大きい、つまり胸郭が柔軟な人ほど高い強度の運動を行って換気を上げたいと思ったときのキャパシティーが大きいということになります!
そのほかにも胸郭の機能が大きく影響するところとして
■腰部や頸椎の運動
■バランス能力
■肩甲骨(肩)の動き
■姿勢
などなどがあげられます
胸郭は腰部や頸椎の運動に関わる
「腰を反らしてみて下さい」
Aの動きは腰椎の伸展といいます

では、「上を向いてください」
Bの動きは頸椎の伸展といいます。AとBの動きはよっぽどそこに痛みのある方以外は難なくできると思います
ではCはどうでしょうか?「胸を反らしてできるだけ体を後ろに倒してみてください」「硬っ!!」と思った方、背中に詰まり感を感じる方、ここって本当に動くところなの?と思った方も非常に多いと思います!
そうです!この胸椎と言う部分がとっても硬くなりやすいんです!しかも猫背のようにまるまる方向ではなく後ろに反らす伸展の動きが特に硬くなりやすいんです!
背骨は上から頸椎・胸椎・腰椎とありますが、上から下まで一連で体を丸める(屈曲)・体を反らす(伸展)・ひねる(回旋)の動きができます
胸郭はバランス能力に関わる
バランスを良くしたいと思ったらまずどうしますか?
「脚を鍛える、片脚立ちのトレーニングをします!」
これが一般的です
ただ、実は人間はバランス保持のコントロールを下半身よりも主に上半身で行っています!スポーツのように大きく動く時は特にです‼️
意外だったでしょうか?よく考えてみるとバランスを大きく崩した時は上半身をよじったり手を大きく動かしてなんとかバランスを保とうとしますよね。
胸郭を柔らかく柔軟に動かすことができればバランス保持能力が飛躍的に高まります!
高齢者では特に胸郭は硬いので、バランスが取れず転倒ということが増えてしまいます。
脚をどれだけ鍛えても、先ほども書いたようにバランス保持の主は上半身なので、下肢のトレーニングに合わせて胸郭の可動性を出していくことで転倒予防においてかなりの効果が期待できます!
肩甲骨の動きに関わる
腕を上げたり下ろしたり、肩関節の屈曲・伸展や内転・外転といった動きになりますが、肩関節の様々な動きに対して、肩甲骨が大きく動きます!肩甲骨は胸郭に密着していますので、胸郭の動きが悪ければ、そのまま肩甲骨の動きも悪くなるということはご理解いただけるかと思います。
肩甲骨の動きが悪いと腕を動かしたときに正常に比べ肩関節に異常な力が加わります。日々それが繰り返すことで肩関節周囲炎(俗に四十肩・五十肩と言われている症状)といった肩関節周りの筋肉や軟部組織に炎症を起こして痛みを生じたり、可動域がせいげんされたり、と言う状態に陥ってしまいます!
胸郭は姿勢に関わる
これはもちろんのことでほぼ説明不要かとは思いますが、人間はどうしても前屈みで作業することが多いです。
パソコン作業はかなり大きな要因かとは思いますが、字を書くために机に向かったり、読書したり、料理をするのにキッチンに立ったり、掃除をしたり。
目が前に向かってついて、手が体の前で作業をしやすいという人間の体の構造上、現代人も昔の人も程度の差はあれ背中の丸まった姿勢を強いられる機会が多いのは同じです!
背中の丸まった姿勢で胸郭の前側はいつも縮こまって固まり、逆に後ろ側は伸ばされてあまり使わない背筋は弱化してしまい姿勢不良の大きな原因となります!
まとめ
このように胸椎・胸郭は非常に多くの身体活動に影響している部分なので、運動療法やエクササイズを行う上で最初にここを整えておくと全ての運動が効率よく機能的に行えます。
トレーニングやダイエットで伸び悩んでいる人は、こういった体の柔軟性やコンディショニングに目を向けていくのも成長や成功につながる一つの鍵だと思います!
皆さんも効率よくトレーニング、ダイエットに向き合ってみてはいかがでしょうか。